女子寮で死んだ生徒の霊を呼び出すため、降霊会をした女子高生たちが、ひとりずつ何者かに殺されて姿を消していく学園ホラーです。
幽霊や超常現象による心霊ホラーと、殺人鬼によるスラッシャー映画を一度に楽しめるお得な作品ではあるのですが、どちらの要素も中途半端だったので物足りなさも残る内容でした。
女子高生たちがなかなか殺されないうえに、ジャッロ映画のようなグロい殺害描写もないまま進行していくので、物語のテンポはあまり良くありません。
いっそのこと殺害シーンは完全に省略して、観客にも悪霊のしわざだと思い込ませるミスリードをいれたらよかったのではないでしょうか。
犯人当てミステリーとしては、ヒロインも含めて全員が怪しいので、誰が犯人でも良いような気がしてしまって、たいして驚きもありませんでした。
犯人のノリが、劣化版『スクリーム』みたいな印象で、犯行動機がしょぼいのもガッカリです。
女子グループのリーダーが、美少女なうえに性格も悪くて好きでした。
ポジション的には憎まれ役のはずなので、もっと物語を引っ掻き回してほしかったですが。
この映画で一番素晴らしかったのは、終盤における犯人との対決シーンです。
中盤までの煮え切らない展開を吹き飛ばすような豪快でグロい殺し合いが最高でした。
ヒロインも殺人鬼もあまり強くないので、一方的な試合にならないのも良かったです。
ところどころにコミカルな演出もありながら、ヒロインの容赦ない反撃が痛快でした。
百合要素もありつつ、爽やかな余韻を残す青春映画で幕を閉じるのも素敵です。
