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悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズのsayaのレビュー・感想・評価

3.5
意識高い系の都会人たちが、テキサス州のゴーストタウンに移住して新生活を始めようとするのですが、地元住民とトラブルを起こして一方的に惨殺されてしまう話です。
スリル満点の恐怖演出や豪快な暴力描写、ゴア表現も満載でホラーとしての見応えは大満足でしたが、『悪魔のいけにえ』らしさや特別感の薄い作品でした。
レザーフェイスは、ソーヤー家の中では下っ端に過ぎないので、オリジナル版のような狂人一家の話が観たかったですね。
『悪魔のいけにえ』の魅力は、殺人鬼たちの家族愛や絆だと思うからです。
1作目で唯一の生存者だったサリーが50年も待ち望んだ復讐の機会を果たそうとするのも、2018年版『ハロウィン』がヒットしたから真似しただけの気がしますし、物語上の必然性が感じられません。
レザーフェイスにとってサリーは獲物のひとりに過ぎず、ローリーとマイケルほどの結びつきや因縁もないからです。
せめて『悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』のように、サリーを逃がしたせいで、ソーヤー家が皆殺しに遭う描写でもあれば直接対決も劇的に盛り上がったはずです。
『悪魔のいけにえ』定番のカニバリズム描写が出てこないのも物足りなかったです。
主要な登場人物たちの死に方が、あまりにあっけなさすぎて面白かったですね。
誰がいつどのタイミングで死ぬのか、予想しづらくなってスリリングでした。
魅力的な若手俳優を起用したキャスティングも豪華で、特にサラ・ヤーキンが出ているのは嬉しいですね。
見た目も性格も正反対な姉妹が、協力し合って殺人鬼に立ち向かう展開も熱いです。
『ハロウィン』もそうですが、これだけ何度も設定がリセットされて続編が作られてしまうのは、おそらく続編の正解が見つからないからでしょうね。
トビー・フーパー監督の撮った1作目が奇跡のような作品なので、そのままパターン化しても面白くはならないのが難しいところです。
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