すずき

北国の帝王のすずきのレビュー・感想・評価

北国の帝王(1973年製作の映画)
3.8
時は大恐慌時代。
列車の屋根などに隠れて無賃乗車し、アメリカ各地ほうぼうを渡り歩く、ホーボーと呼ばれた浮浪者たち。
ホーボー界では名の知れた「北国の帝王」ことエースNo.1は、ホーボーの無賃乗車を発見次第、ハンマーで叩き殺す車掌・シャックに挑戦状を叩きつける。
彼は宣言通り、シャックの列車に乗り込み、目的地ポートランドまで行けるのか、それとも叩き殺されるか?
今漢達の戦いが始まった…!

絶対無賃乗車するマンと、絶対無賃乗車殺すマンの殺し合い!
それをコメディとして描くまだしも、シリアスに「漢の勝負」として描くこの作品、今ならまず企画が通らないだろうなぁ。

キチガイ車掌、シャックを演じるのは、アーネスト・ボーグナイン。
下町の居酒屋とかにいそうなおっさんなんだけど、目を四白眼に見開き、実にいい表情をする。
ハンマーやチェーンで無賃乗車をブッ殺す容赦の無いオヤジだけど、同僚にも容赦ないパワハラを仕掛ける!

対するエースNo.1も、一般常識から考えれば相当なクズだ。
無賃乗車の為なら、列車は止めるは火を付けるは、大事故になってもおかしくない凶行を繰り返す。最終的には死人出てるし。

若いホーボーのシガレットに説法を説くエースNo.1師匠。
どれだけイキってても、所詮はホームレスの無賃乗車なんだけど、これがどうしてか、なかなか熱い!
他人の目からどう見られようが自分の信じた道を貫く、エースNo.1のそーゆー所が漢として、そこに痺れる憧れるんだろう。

中盤の七面鳥の件は割と訳分からんかったけど、クライマックスのタイマンはアゲアゲの熱い展開!
果たして最後に笑うのは誰か、漢の真剣勝負の結末を見届けよ!