爆裂BOX

人間蟲の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

人間蟲(2004年製作の映画)
2.9
ベンとジュリーのカップルが運転する車が男を撥ねてしまう。病院に連れて行こうとするが男はそれを拒否し自宅に送ってくれといい気絶。やむなく2人は自分たちのアパートに連れて帰るが…というストーリー。
このタイトルから虫が人間に寄生するモンスターホラーかと思いましたが、中身は人間に寄生して吸血鬼にする寄生生物と戦うハンターを描いた貧乏な「ブレイド」みたいな作品でした。
主役のハンターはハゲたおっさんで全然かっこよくはないんですが、グルカナイフを使って吸血鬼たちの首をすぱすぱ切っていきます。安っぽいながらもポンポン首や手足が飛んで血が噴き出す様は良かったですね。ただ、アクションシーンは少なめで物語の大半は彼を車ではねてしまい、事態に巻き込まれることになったカップル相手にハンターが哲学風な事をべらべら喋ったりする会話劇や世界観の説明に時間が費やされている感じですね。ハンターのマーティンも最初の方でカップルを巻き込まないようにする言動をとったかと思えば、酒場の飲んだくれの爺さんやバーテンにはべらべら吸血鬼の事や切断した寄生生物の一部を見せたりして、他人を巻き込みたくないのかそうじゃないのかイマイチつかめません。世界観の説明もなんか回りくどい感じで中々全容掴めませんし。ただ、予算の関係でそうせざるを得なかったのかはわかりませんが、マーティンの言っていることが本当の事なのか、ヤク中の妄想殺人鬼なのか中々わからない所は良かったですね。マーティンの見た目も見ようによっては殺人鬼っぽいし。
寄生生物は途中でチョロッと出てくるだけで、低予算の為か吸血鬼たちもメイクなどはしてないですね。まあ、まんま人間の見た目のおかげで上記の展開に持っていけてますが。
ラストのマーティンの行動にはちょっとビックリしましたね。幾ら便が試練を潜り抜けたとはいえ急に後を託し過ぎでは。まだ全然心構え出来てないでしょ。新たなハンター誕生なるか!?と感じさせるラストは好みですね。
全体的に会話劇メインで起伏の少ない展開で退屈に感じられる人も多いんじゃないかと思います。あんまりオススメはしないかな。