みんと

殺し屋たちの挽歌のみんとのレビュー・感想・評価

殺し屋たちの挽歌(1984年製作の映画)
4.0
スティーヴン・フリアーズ監督の犯罪ロードムービー。

強盗仲間を裏切りスペインに隠れ住む男と彼の元へ送り込まれた2人のヒットマン。そして運悪く巻き添えになった1人の女。それぞれの思惑が交錯しながら、奇妙な4人旅を描いていく…

最近観たソダーバーグ監督の『イギリスから来た男』と何処か重なるクールでカッコイイ作品だった(テレンス・スタンプも出てるし)。

劇中では殺し屋を雇った組織や背景には触れられておらず、登場人物の心理描写も見る側の想像頼み。なので正直分かり辛くもあり置いてきぼり感が無きにしも非ず。
ただ、それらを余裕で上回る音楽映画とでも言うか、音楽が主役のカッコイイ映画と言うか。

テーマ曲はエリック・クラプトン。そして劇中の音楽をパコ・デ・ルシアが担当。舞台がスペインという事もあってフラメンコギターがハマりにハマる。痺れる。まさに灼熱のギタリスト!

そして、ジョン・ハートが容赦ない。映画デビュー間もないティム・ロスの若僧っぷりが初々しい。更には死を恐れない人質ウイリーをテレンス・スタンプが魅力的に演じてた。と言うか、死生観がとても深いし哲学してる。

ストーリーもさることながらクールで渇いた雰囲気を味わうだけでも価値があると思う。
みんと

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