真世紀

人肉燈籠の真世紀のレビュー・感想・評価

人肉燈籠(1993年製作の映画)
3.4
DVDソフト化は今年(注 2008年)だけれど、1993年の作品。よって、香港映画界からすでに引退のチンミー・ヤウがヒロインの女幽霊役を務めてます。これまた、自分的には香港映画で五本の指に入る好きな女優さんなんだな、チンミー・ヤウ。可愛くも色っぽくて。

映画冒頭は過去。男女の死体を処理する黒社会の男達。男(レオン・カーフェイ二役)は埋められると来世でも不運が続くという場所へ葬られる。チンミー・ヤウの遺体は背中から皮を剥がれ、その皮で灯籠がつくられる。死体から造った灯籠に火を絶やさず灯し続けるとその魂は永久に灯籠に封じられるというのだ。それにより、来世でも会うことができなくなる、とうそぶく妖しい巫術をも使う悪党が香港のアパッチ・タワーことロイ・チョン。

そして現在。転生したレオン・カーフェイはしがないチンピラ。街頭でもつ煮込みを売れば、上から夫婦喧嘩のあおりで痰壺やら赤ん坊が降ってきて、なんとか赤ん坊をキャッチするとその子が大きい方をおもらし(なにぶん一昔前の香港映画、この手の下品ネタやしょーもないギャグは必ず入るのがお約束)…と不運に見舞われ続ける男。顔見知りの刑事からは役に立たない情報屋扱い。そんな彼の属する組織に海外から帰ってきた男の組織が縄張り争いを挑んでくる。その男こそ、ロイの今の姿。そして灯籠の灯りが消えた隙に姿を現わしたチンミー・ヤウが彼を助力し、過去の因縁を思い出させる…。

過去の二人、特に舞台女優のチンミー・ヤウがかわいらしい。最初に屋台で食事をともにするときに「コーラ、全部飲んでいい?貧しくて半分しか飲めなかったの」なんてことを、チンミーに言われたら店中のコーラ持たせちゃうよ(我ながらバカである)。

幽霊もの、かつラブストーリーで黒社会の抗争劇あり、しょうもないギャグがいくつも入り、と様々な要素が混在。この闇鍋感覚がまた慣れてると癖になるけど普通の人はパスしてもいっこうに構わない作品かな。個人的には久々のチンミーの姿に満足。
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