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天国からきたチャンピオン 2002のHKのレビュー・感想・評価

3.5
タイトル通り、私の大好きな映画『天国から来たチャンピオン』(1978)のリメイクです。
日本では劇場未公開だったようで全く存在を知りませんでした。
もっとも『天国~』も『幽霊紐育を歩く』(1941)のリメイクですが。

そもそものオリジナルは舞台劇の“Heaven Can Wait”(天国は待ってくれる)で、1978のウォーレン・ビーティ版も同じタイトル。
でも最初の映画化『幽霊~』の原題は“Here Comes Mr.Jordan”(ミスター・ジョーダンがやって来た)ジョーダンとは天国の天使長の名前です。
そして本作の原題は“Down to Earth”(地上降臨)。
全部違うじゃん!と思ったら、実は『幽霊~』には続編があって、なぜかそのタイトルが本作と同じ“Down to Earth”(邦題:『地上に降りた女神』1947)。ん?

本作とビーティー版の大きな違いはまず主人公が黒人、そしてアメフト選手じゃなくて職業はコメディアンです。その分ギャグは多目と言えば多目。
それ以外は、事故って天国へ行って手違いとわかって地上に戻り代わりの体を探す流れはだいたい同じだし、あまり予算をかけてなさそうなのも同じ。

主人公はクリス・ロック。私はこの人エディー・マーフィーの映画の脇役くらいしか知りませんがエミー賞やグラミー賞を何度も獲ってる名コメディアンだそうです。
彼女役はTVシリーズ『ウォッチメン』のアンジェラ役が記憶に新しいレジーナ・キング。
『幽霊~』ではタイトルにもなった天国の天使長ミスター・ジョーダンは名前がキングに変わっており『ユージュアル・サスペクツ』の刑事や『アナライズ・ミー』のマフィアだったチャズ・パルミンテリが演じています。
ちょっとコミカルでイイ感じの執事役が『ゲーム・オブ・スローンズ』のロバート・バラシオンだったと後で知ってビックリ。

まあ安定の面白さなのはオリジナルの話がよくできているからでしょう。
主人公が乗り移った大富豪はビーティー版では一切出なかったのに、本作では第三者視点で何度か登場。これは他人からは白人に見えているぞと観客に念を押す必要からでしょう。
その割には白人との格差表現は思ったより控え目だった気がしますが。

そこそこ楽しめましたがラスト付近の感動はビーティー版には及ばずでした。
ついでに未見のオリジナル『幽霊紐育を歩く』をアマプラで発見したので、こちらも観てみることに。
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