ベビーパウダー山崎

結婚詐欺師は殺さないのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

結婚詐欺師は殺さない(1975年製作の映画)
3.5
ダリ風の絵を無駄にコラージュしたオープニングが悪い前兆のようで初っ端から不安になる。コメディにしては死が強すぎてサスペンスにしてはまるで緊迫感が足りない、中盤の古城のような建物での甲冑騒ぎは突然のゴシックホラーだったりしてますます混乱してくる。そもそも彼らは一体なにを目的に行動しているのかさっぱり掴めない。ようやく終盤にこれは「覗き(屈折した愛)」の映画だと100歩譲って理解できるが、ラストカットが立ったまま凍死したオッサンってのは表現が振り切りすぎて流石にそこまではついていけない。『生き残るヤツ』で懲りずにアイヴァン・パッサー映画に出ている律義なカレン・ブラックは愛せる。終始デタラメでウンザリするけど、こういった異様としか言いようがない作品と出会うために俺は映画を見ていたりもする。