ヒッチコックのスパイ物はあまりいい評価ないけど、私はこれ結構好きです。スパイとバレた時の取っ組み合い、情報を得る瞬間の教授との応酬、バスでの逃亡、郵便局、劇場、場所を変えてはヒッチ全盛期独特の、間延びする緊張感が楽しめます。
ポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースはそれぞれ大好きなので、オープニングとラストの仲睦まじいやりとりのシーンはとにかく好き。とくにお茶目さの残るふたりのラストは、ヒッチコックのユーモアが溢れていて微笑ましいです。
前半は事実を知らないジュリー・アンドリュースの、婚約者に対する不信感からくるドキドキだったけど、後半はポール・ニューマンのスパイとしての逃亡劇からくるドキドキ。感情移入する相手がいつの間にか移ってしまってジュリー・アンドリュースが後半はただの景色になってしまっているところがちょっと残念。
そういえば、序盤で出てきたどぎついメイクのバレエダンサー、あの瞬間だけのコメディターンかと思ったけど、後半あんなふうに使われてくるなんて驚きだったなあ(笑)あのバレエのシーンの彼女が劇画過ぎて夢に出てきそう(笑)