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エピデミック〜伝染病のbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

エピデミック〜伝染病(1987年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ラース・フォン・トリアー初期の実験的作品。モノクロ映像なのに常に左上に表示されている赤文字の"EPIDEMIC"、現実(荒い映像)に劇中劇(鮮明な映像)が侵食していくかのような構成、全編に散りばめられた何とも言えない独特なセンスのユーモア、ととにかく変な映画で、尖ったラース・フォン・トリアーらしさが全開。

それでも物語は淡々と進むのだが、圧巻なのが急展開のラスト。催眠術にかけられた女性が脚本の世界に入り込むことで感染の恐怖に絶叫する。催眠術を解こうとしても一向に聞かず、もう大絶叫しっぱなし。そしてそのまま感染の症状である"おでき"が首に現れ、血を吹き出して絶命する。誰もが呆気にとられてしまう衝撃のラスト。このシーンのためだけにこれまでのダラダラした展開があったのだと実感させられるとんでもなさ。

全体として見たときに決して映画として面白いとは言えない(かなりダラダラしているので正直退屈さは感じてしまう)のだが、とにかく強烈なラストのせいで忘れられない映画になってしまった。これはずるい。
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