エピデミック〜伝染病の作品情報・感想・評価

「エピデミック〜伝染病」に投稿された感想・評価

カイル

カイルの感想・評価

3.3
トリアー監督初期作品2作目。自身が主演を務めるドキュメント風作品。当時としては実験的で挑戦的ではあったかもしれませんがちょっと退屈に感じてしまいました。
トリアーもウド・キアも若くてカッコイイ!
まーゆ

まーゆの感想・評価

3.3
消失した脚本“エピデミック”を再構築するもその作品の中で起こる伝染病が現実のヨーロッパ全土にも蔓延する…カサベテスやリンチを彷彿とさせつつのちに自身が確立するドグマの手法の影も見え全体的に実験映画ながら同時にトリアーが自身の映画論や創作論を自己批評するのが面白い!
『エピデミック』の脚本を書き出したら現実でも伝染病が流行るというトリアー監督やウドキア等本人役で出演する実験的映画。モノクロの映像の中で“EPIDEMIC”の赤いタイトルロゴが左上に表示されたまま展開するオシャレぷり。
現実か非現実か混濁する様は悪夢のようだが如何せんわかりづらい。
『エレメントオブクライム』『エピデミック』『ヨーロッパ』はヨーロッパ3部作と言われるだけあり、ナチ支配下におけるヨーロッパの心の闇が垣間見れる。伝染病もその暗喩と捉えられるが他の2作と比べると単純に映像面で楽しめる。
いつも思うけどトリアー作品って悲惨な現実を超越してファンタジーの領域に入ってるように感じる。鬱映画監督扱いだけど個人的にはブラックコメディ枠だな。
なのでわりと笑える。ラストの発狂なんて狂気そのものでしかないけど映画内で話される結末よりもハイテンションすぎて笑ってしまった。トリアーの意図は知らないがエンドロールのテーマソングもネタに感じてしまう。
yuki

yukiの感想・評価

3.9
これまたギラッギラ。トリアーが伝染病によって侵された地球を描くディストピア映画。1年半かけて書き上げた脚本が、締め切り直前にフロッピーの故障によって無に帰したため、仕方なく改めて伝染病についての脚本を書き始めた頃、奇しくも現実の世界でも伝染病が蔓延し始める。医師であり“理想主義者”でもあるメスメルが、社会において対的権力を持つようになったにも関わらず伝染病対策を打ち出さない医師会にジレンマを感じ、外に飛び出す。その内容が脚本と図らずもリンクしていくところがアニメっぽくて面白い。“「エピデミック」内「エピデミック」”という名の映画映画でもある。伝染病の予兆となるというラット・キング(尻尾が絡まった複数のネズミ)の話が面白かった。“エピデミック”から出られなくなった女性の末路。すっげえ。ラスト興奮した。
二色の膿と二色の歯磨き粉
「靴に小石が入ったような映画を作ろう」
全体的に色がぼんやりしているし直球なグロさはなかったけどエグい
ヨーロッパ三部作、なんとなく見えてきた
ややややこしいけどめちゃおもろい。最後なげーってなってたけどうおおおってなった。歯食いしばりすぎて痛い。
pika

pikaの感想・評価

4.0
ラストのあれは一体!?笑
しつこい長回しがシュール過ぎて笑ってしまった笑
トリアー作品は興味深く面白いとは思うんだけど好み的には全く受け入れられないタイプと言うのか、見るのがなかなかしんどい作家なんだけど、この作品は始まった瞬間からビビビ!ときた。なんでなのか全然わかんないけどすげー好き!
画質の荒いモノクロの質感からストーリーや演出まで何もかも好み。
あと若いトリアーがイケメン…なんなの笑

年月かけて書いた脚本のデータが飛んだから急遽5日で「エピデミック」という新たな脚本を書くことになり、トリアー自身が主演して脚本家も一緒に本名で出てくるドキュメンタリー風な構成になっていて、途中で執筆中の映画がイメージ挿入のように出てきつつ、映画の中で起きる伝染病が現実にもリアルタイムで蔓延していく。
映画の影響だとか、伝染病の比喩だとか色々深読みできる意図がありそうだけどどーでも良いっつーか、ただただ目の前に繰り広げられる映画そのものがめちゃくちゃ面白くて非常に魅力的なので、考えてるより映画を楽しむことに夢中になっちゃって満足した笑

どこがどう、とか全く説明できないけど劇内映画のシークエンスなどタルコフスキーぽさがあって、オマージュしてるのかなと思うような画作りと音楽と音響効果で、似せてるいやらしさは全くなく自分なりの個性にアップデートしてる感じて良い塩梅。

評価もイマイチパッとしないし題名もなんだか微妙で全く期待してなかったんだけどトリアー、こんなの作ってたんだ!と嬉しい驚き。
初期に作家性を定めず実験的に色々作っていたみたいなのでもう今作のような作品は拝めなさそうなのは残念。
面白かった〜

このレビューはネタバレを含みます

トリアー本人が画期的映画を作ろうと脚本を起こす。脚本の題名はエピデミック(伝染病)。脚本内の世界と現実世界の境界が段々と曖昧になっていくのだが、それにしてもラストシーンがやけくそに見える。おもしろい。嫌な気分にもなるがプロデューサーの男が求めていた”面白い”映画の完成を見届けられた爽快感がある。トリアーマニア向け映画。
『奇跡の海』の公開に合わせてのラース-フォン-トリアの特集の第一本目の初公開作品らしいが、よく分からなかった。だが、意欲的な作品であった事は確かだ。それは分かる映画の脚本を仲間と一緒に作っていく話は題名の通り《伝染病》である。
ヨーロッパ全土を襲ったペストを手始めに、新聞各紙で取り上げられる伝染病は、アゴタ-クリストフの戯曲にも取り上げられる通りに、いくつかの作品のテーマとなっている。映画の中の台詞に出てくる通り、カフカの作品にも取り上げられている。(カミュの作品であったか?)
現実の脚本を作る段階とその内容を交互に取り入れ、ラストはその内容と現実とが一致してしまう。という流れは極端で、信じられないのが先にたってしまうが、画面に引き付けられていたのは確かである。この映画においても、各章に区切られて、テーマが分けられている。
確かに次の作品を見たくさせるような気持ちを持たせる。
あと二本プラス『キングダム』を見るつもりである。
分からない領域にもタイプがあって、興味を引き起こすものと、そうでないものがある。
菩薩

菩薩の感想・評価

3.1
18ヶ月もかけて書いたのにフロッピーに入れてた脚本データが飛んだから急遽5日間で「伝染病」についての脚本書き直してたら、その間に現実社会でも謎の奇病が蔓延しちゃって、最後ぐっちゃぐちゃになるかなり実験的な映画。実際トリアー達が書いてる「革新的」な作品の断片と現実世界とが交差してきて、最終的には飲み込まれていく様なイメージ。映画のプロデューサーが俺が担当する作品は筋がめちゃくちゃで、期待した様な事は起きず、まったく面白くないなんて愚痴をこぼすが、この映画もまさにそんな感じで、これはもうわざとそうしてるとしか思えなく、最後の狂気の大爆発に賭けたような気すらしてくる。すごく贔屓目かつ深読み的に解釈すれば、ヨーロッパは世界からおできのように飛び出て隔離されており、その中には決して交わる事の無い膿んだ人々がチューブ入りの歯磨き粉(アクアフレッシュみたいな感じ)の様に押し込められていて、過去繰り返されたペストの様な悲劇的で破滅的な自滅を、今もなお繰り返している…みたいな感じだろうか。脚本の中の医師が皆を救う使命感に駆られ隔離地域に赴くも、実は自らが病魔を撒き散らす原因になっている事にも気づけず、世界を破滅に導いていく、なんてのが随分と意味ありげに思えてくるけど、映像自体にあんまり輪郭が無いように話自体もかなりふわふわとしているから、「悪夢的」なんて言葉で済ましてしまい作品ではある。まぁ結局のところトリアーマニア向けの作品でしか無さそうな感じ。
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