幕のリア

女王陛下の戦士の幕のリアのレビュー・感想・評価

女王陛下の戦士(1977年製作の映画)
3.3
ヴァーホーヴェン先生、アメリカ進出の前、オランダ時代の偉大なる戦争エンタメ作品。

ドイツ統治下でのオランダ学生のレジスタンス活動。
自国のシリアスな状況を描くのにどこか他人事かのように大胆で淡白で真摯な視点であるのが、なんとも奇妙。
オランダ人気質なるものが分からないが、一般的なオランダ人にどう映る作品であるのか感想を聞いてみたいものだ。

凱旋作品『ブラックブック』のスケールには及ばないが、緊張感に欠けるもサスペンスフルな展開が独特のフレイバーを醸し出し、退屈するどころか妙なリアリティを生み出すことに成功している。

若きルドガー・ハウアーの色気は必見。

空爆シーン、人体損壊描写、馬鹿馬鹿しいエロス、何もかもを揶揄する大胆さなど、ヴァーホーヴェンならではの唐突で過剰な演出にはいつもの如く驚かされる。
テーマ曲がいかにも大作風でシンフォニックなのも妙な言い方になるが心強い。

スクリーンでじっくり観てみたい作品。
とか言いながら実は5日くらいに分けてようやく鑑賞。
印象的なテーマ曲がずっと頭でリフレイン。
テケテケテーテケテケテケテー♫
幕のリア

幕のリア