演出の細やかさが良かった。
チャリンコ盗まれ、キレて蹴った空き缶が実は…とか、他の女性たちと同様に車に乗るの躊躇してたのに、幸せそうな家族写真を見て気を許すとか…
和気藹々とした誕生会の様子を見せてから、娘のプレゼントのニットを着てターゲットに声をかけ、貰ったキーホルダーのおかげで千載一遇の殺しのチャンスを得る下りには、かなり心を削られました。
(でも、始めに着てたのあの服じゃなかったような)
で、普段のナイスなパパぶり、間抜けな誘拐シミュレーション、何より残酷な描写がないせいか、この犯人が悪いという心情にならないのですよ。
逆に恋人を殺された?主人公の方が、単に事件への好奇心に取り憑かれちゃってる常軌を逸した人に見えてきたり。
大まかには固定に思える倫理観も、イメージ操作であっさり揺らぐというのを、いざ目の前でやられるとかなり怖いですね。
リメイクはどういう解釈なのかも観てみたい。