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サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出のsmithmouseのレビュー・感想・評価

3.1
国に忠誠を誓った軍人が国内で殺害されると言うこの不条理。全く軍隊の最大の敵は「無秩序」だ。

「市民の平和を守るのが州兵の務めです。」
ルイジアナ州兵がアメリカ南部の湿地帯での訓練中にあるキッカケから地元住民「ケイジャン」の恨みを買い襲撃される。
「ヒルズハブ〜2」のよく出来た祖先が如き筋書き。

お約束の地図もなければコンパスも無線も指揮官もいないの無い無い尽くし。ジメジメした真っ暗い湿地帯をひたすら行軍する様子は不快感がヒシヒシ伝わってくる。そして、ジワジワ攻めてくる住民の精神攻撃。弱いものから死んだりおかしくなっていったりする戦争の狂気は「地獄の黙示録」と共通するテーマだが一味違う。しかし、これも別の形をしているが「ベトナム戦争」を風刺しているのかも。

最後の方のスローモーションとともに現れる、手とハンドルしか見えないトラックのシーンと兵士の表情が良い。

ある意味暗黒大陸であるアメリカの「ハート・オブ・ダークネス」が描かれた映画。
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