Automne

幸せなひとりぼっちのAutomneのレビュー・感想・評価

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)
4.0
死のうとするけどなかなか死ねない老人が、妻の死と喪失感、自分の過ちを受け入れていく。
心の中では筋を通してるのだけど、ぶっきらぼうだから誤解が多くて苦労してきた。それでも最後にはそういう不幸な人々が救われるのが映画の良いところ。
じんわりと染み込んでくるような人のあたたかさ。当たり前の仕事を当たり前にやることの尊さを感じられる良作。

邦題に関して。個人的にはヒューマンドラマだったらとりあえず「幸せ」をタイトルに入れるのをそろそろやめて欲しい。良い映画ならばさすがの日本人視聴者でも観るよ。リテラシーは高くなってるし、翻訳者がただただセンスないみたいになってますよ、令和。
安易に「幸せ」とつけることで、監督も製作国もまるっきり違うのに、なぜか日本でだけ「幸せシリーズ」みたいにジャンル化されつつあるような気がする。それでいて、日本に「幸せ」な人が増える気配がないのは、「幸せ」を安売りしすぎたからでしょうか。
それっぽい映画、それっぽいタイトルの翻訳がなされても、母国では制作者が一生懸命作っているわけで、それで日本に届いたわけで。
なんだか愚痴っぽくなってしまったのでこの辺で〆ようと思います。
こんな世の中だけど、みんなもれなく「幸せ」になってね。
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