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焼け石に水のnagashingのレビュー・感想・評価

焼け石に水(2000年製作の映画)
4.0
一周まわって喜劇的な様相を呈するほどに突き抜けた露悪性が最高。男ふたり女ふたりの四角関係の話なのだが、各人物の性別をどう入れ変えても成立しそうなのがすごい。ある意味LGBT映画の極北。『13回の新月のある年に』オマージュの設定や扉と鏡を多用した仕掛けなど、オゾンのファスビンダーへの愛に満ちている。原作が戯曲のせいか、フレーミングを意識した映画的な演出と、カーテンを開閉するアクションや同一空間のバリエーションを担保する照明などの演劇的な演出が混在しているのもおもしろい。フィックスのショットの決まりまくった構図、ビビッドなカラーコーディネート、騎乗位でわしづかみにするしかありえないサニエちゃんのおっぱいもひたすら眼福。ロメールが100分くらいかけた若い娘へのお膝なでなでを出会って3分とかで成し遂げ、脳汁でまくりなダンスシーンのカタルシスもあっさり断ち切ってしまうジロドーが強すぎ。
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