RAY

私を野球につれてってのRAYのレビュー・感想・評価

私を野球につれてって(1949年製作の映画)
3.8
“わざとらしいは正義”


ジーン・ケリーとフランク・シナトラのダブル主演である本作。
この二人の名前を聞いただけでもわくわくしますが、この二人にかかればハッピーな映画も2倍ハッピーになりますね。


舞台になるのは、プロ野球。
ジーン・ケリー演じるエディー・オブライアンとフランク・シナトラ演じるデニス・ライアンはウルブズと言うプロ野球チームに所属しています。
なんとこの二人はシーズンオフには舞台芸人をしていると言うなかなか奇抜な設定です。
そんな中、ウルブズには新しい女性オーナーがやってくるのだが…なんて物語です。

ストーリー自体はもう予想通りの展開になって行くし、もはやコントみたいな事件が起こったりもするんだけど、何しろ主演の二人が予想通りの展開もコントも全部、最高に楽しく演じている。
それだけでこの映画は最高なんだと思えます。

あらすじに書いた様に、設定は少し奇抜なのですが、その分伝えたい事はわざとらし過ぎるくらいキラキラしています。
たとえば、プロ野球選手と言う設定。
当然、彼等にはファンがいるんですが、彼等を見守る子供たちだったりは憧れの眼差しで彼等を見ていて、夢を与える側の役割をちゃんと伝えてくれています。
もしくは、スポーツそのものが人々にとっての元気の源になっている側面もスクリーンを通して伝わってきます。
もちろん、ダンスは最高で、楽しさも切なさも鬱憤だって体全体で表現されているし、その時々の彼等の思いと映画のひとつひとつのシーンが合わさって届いてくるのです。


制作に関しては幾つかの問題があったそうですが、僕にとってはこの作品がとても良い作品だと思えたのは間違いありません。

わざとらしい。確かにそのことが悪い方に働くこともあるけれど、ミュージカルはそれで良いんじゃないかと思います。


素敵な作品ですよ。


観て良かった。
RAY

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