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マーゴット・ウェディングのSPNminacoのレビュー・感想・評価

マーゴット・ウェディング(2007年製作の映画)
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妹の結婚を機に息子を連れ実家を訪れたマーゴが、周囲をどんどん掻き乱していく。問題を抱えた家族が結婚式に集まるドラマはよくあるけれど、ノア・バームバックの描く家族像はいつも暗くて辛辣だ。姉妹の脆い絆、巧くいってもいかなくても離れ難い親子関係、壊れても他に寄る辺ない夫婦関係。血縁でも他人でも間違っていても正しくても、期待しても裏切られても、みな弱々しく不安定で厄介者。家族は大木を失って、また散り散りに。山場のはずの結婚式当日までローテンションの苦いトーン、リアルというか悲観主義というか。
他人を見下して口出しせずにいられないマーゴは誰もを不快にさせると同時に自己嫌悪の塊、だけどプライドだけは高い女で二コール・キッドマンはぴったり。観てて息子が可哀想になるが、それでもあの幕切れに込められたニュアンスにはしてやられる。一緒にいても孤独だが、独りにもなれないのだ。
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