チッコーネ

デリリウムのチッコーネのレビュー・感想・評価

デリリウム(1972年製作の映画)
4.0
前半はよくあるユーロトラッシュで編集もやや散漫なのだが、ヒゲモジャオヤジが活躍を見せ始める中盤から謎解きの面白さや、正調ジャッロ演出が顕在化し始める。
そしてクライマックスは「狂ったメロドラマ」へ突入…、意外なほど筋の通った崩壊ぶりに唸った!

「夫が隠し持つ秘密」に懊悩する妻が、自ら秘密を生み出していくという展開は、後年の怪作『ポゼッション』に通じるものありで、個人的にものすごく好み。
また妻のレズビアン相手がグリズリー岩本並みにケバい、肉感的ブスなのもアゲだった。
照明や舞台美術はテレビドラマぽい安っぽさだが、女優陣のスタイリングはおしゃれ。
ドナルド・サザーランドを暑苦しくしたようなミッキー・ハージティの顔に至っては、もう忘れられなさそう…。