イングリッドバーグマンがスウェーデン時代に主演した『間奏曲』をリメイクしバーグマンのハリウッド進出第1作目となった作品。
男が有名なバイオリニストであろうと、いくらバーグマンが魅力的であろうとも、やってることは不倫であることに変わりはないのだが、ただ、そんな単純には片付けてはいけない人生の深さのようなものは感じる。
どうしても不倫ネタになると、一般的な評価が下がる気がする。それはほとんどの人が、許し難い…と思ってしまうからなんだね。
人が人を好きになるのは自然なことであり、理屈で片付けられるものではない。歳を重ねるにつれ、一度きりの人生をどう生きるのか誰しも考えることも多くなる。
しかし、それを抜きにして考えたとしても、本作のパターンはなかなか厳しい。子供が信頼していたピアノレッスンの先生が大好きなダディを奪ってしまうわけだから。そして、男もまた彼女の才能を知りながら、危うく潰してしまう所だったのだから。
以下ネタばれ注意❗️
可愛らしさが少し残る、聡明そうなイングリッドバーグマンの美しさは、やはり目を見張るものがある。揺れ動く女の心情を演じ切っていたとは思う。それだけでも観る価値は十分あるのだが、私はラストシーンの妻に心が一番突き動かされた。
(おかえりなさい、あなた)
あの玄関の扉の演出、夫の表情。
マジか…許すことの偉大さって凄いな。夫はせいぜい精進することね。