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のらくら兵のnagashingのレビュー・感想・評価

のらくら兵(1928年製作の映画)
3.5
1928年製作とは思えないカメラの躍動感、アングルとポジションの多彩さ、構図の奥行き。『ゲームの規則』など以降の作品の片鱗をのぞかせつつも、サイレント映画らしい動的な楽しさとプリミティブな美しさに満ちている。一挙一動になにかやらかしそうな予感をはらんだミシェル・シモンがおかしくってしょうがない。フルボッコにされたあとに失恋が待ち受けるのはたんなる悲劇の追い打ちにすぎないはずなのだが、アクションでボロボロになった身体にドラマによる傷心があと追いする、というメチャクチャな身体表現に見えてしまいヤバかった。クライマックスの火と水の大狂宴もアゲアゲ。イラスト入りの中間字幕がとっても可愛い。
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