麻菜

アングスト/不安の麻菜のレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
4.6
ギャスパーノエが60回は観た、というこの映画
1980年、オーストリアでヴェルナークニーセクという男が実際に起こした殺人事件を、実録タッチで再現している
1983年の公開以降世界中で上映禁止となり、どの配給会社も逃げ出すほどの曰く付き
殺人犯自身のモノローグによる構成、全編に徹底された陰鬱なトーン、そして何より映画史における最も重要なカメラワーク
ドローンなどない時代の高度なショットや、俳優の体にカメラを取り付ける撮影手法によって、殺人犯が感じる不安や焦燥を余すことなく観る者へと伝えた
暴力行為を目の当たりにする一方で、加害者からの被害を耳にするようなとても複雑で魅力的な映画だ、というノエの言葉がすべて
打ちのめされた、というよりも殴られたようだったな
コーヒースタンドでソーセージを食べるシーンはお気に入り
麻菜

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