「微笑みの国」のすぐ隣の悲惨な国での実体験に基づく逃避行。
「いつまでいるの?」
「ずっとよ!」
家族を亡くしたショックを癒すため姉と一緒に軍政下のビルマを訪れたローラ。
アウンサンスーチーの存在を知り、大虐殺に巻き込まれる事で「生きている事」を実感し、怪我をした「親友」と共に徒歩で国境を目指す。
ミャンマーという舞台らしく世俗を離れた僧侶と究極の暴力である軍人の対比が効いてる。牧歌的な光景なのにそこで行われているのは殺戮だというのはアンバランスだ。
ラングーンからタイ国境へのジャングル逃亡劇は手に汗握る出来。
最後に主人公が「自分は医者だ」と宣言するシーンは自分の命を諦めていた人間から相棒や多くの人達の命を救いたいという意識への劇的な変化を感じられて感動する。
未だ「ミャンマー」と「ビルマ」の間を揺れ動く国で起きている悲劇をダイナミックに描いた映画。