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シェラ・デ・コブレの幽霊のhoteltokyoのレビュー・感想・評価

シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)
3.8
建築家でもある傍ら、心霊調査を請け負っていたネルソンに一本の電話がかかってくる。それは、盲目の資産家ヘンリー家では、夜な夜な亡くなったはずの母親から電話がかかる・・といったものだった。早速調査に訪れたネルソンは、母親の眠る納骨堂に足を踏み入れると不可思議な現象を目の当たりにする・・的な物語。

1960年代に公開するも、鑑賞したCBCの人間が嘔吐や体調不良を訴え、あまりの恐怖で、地下の奥底に封印するも、その後フィルム原盤が行方不明になり、やがてその映画名だけが独り歩きしたと言われる幻のホラー映画がアマプラで復活。生きとったんかわれぇ。

現代の背筋が凍ると言われている心理的なホラーに様々な影響を与えたと言われるだけあり、資産家の家で起きている謎を追う内に、実際の怪奇現象が人によるものなのか、それとも霊障によるものなのかわからなくなり、次第にひた隠しにされてきた真実が明らかになる・・と、想像以上によくできている。

もちろん60年代の映画なので白黒だったり、効果音や描写などは当時の古臭さは感じるも、チェーンソーで体をパッキンパッキンするような現代のイケイケのホラーとは違って、当時のアメリカには丁寧でモダン、背筋が凍るような不気味さを兼ね備えた美しきホラーがたしかに存在していたのだ。ちなみに奥さん役が、昔のデヴィ婦人に似ている。
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