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コントラクト・キラーのmajiziのレビュー・感想・評価

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)
5.0
物語、キャスト、音楽、セリフどれも大好きな作品。

小津監督の影響を受けているアキ・カウリスマキ。
独特の構図や陰影、間合い、人間の哀しさ、滑稽さ、全てにおいて
何を描こうとしてるのか、彼なりの信念が感じられます。

15年も勤めた会社をリストラされたアンリが自殺に失敗し
殺し屋に自分を殺すよう依頼する、というストーリー。

出てくる人間はそれが殺し屋であろうとも、
皆、どことなく愛おしい。

何事も経験して初めてわかる人生の醍醐味。
彼らの苦しみも、観ている側には陽気に変換されます。

レオ様演じるアンリの堅物で真面目な男の可笑しさ。
花売りの女マーガレットの、不思議な色合いのアイシャドウ。
エルビスの写真をバックに、ジョー・ストラマーのライブ。

この世界観が好きな人にはたまらないと思います。

人生って素晴らしいよね、などと思わず
見ず知らずの人に口走ってしまいそうになる作品。
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