LEONkei

コントラクト・キラーのLEONkeiのレビュー・感想・評価

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)
3.9
社会に裏切られ、将来への希望も見失い、幻滅したこの世の中に生きる意味が無くなった男は自らの命を絶つ事を考える。

しかし気弱な男は自らの手で自分自身を殺める事はできず、殺し屋に自分を殺す依頼をする…と、言う悲しくも有りバカバカしくも有り、そして他人事ではなく現実社会では似たような気持ちの人は少なくないだろう。

その中で、もし気持ちを取り戻し再び生き続けても良いのではないか…とココロを動かす事があるのではないか…いや、あるでしょう。

生き方は人それぞれだが別段大きな夢や希望、広大な目標など生きる事に対しては必ずしも必要な訳ではない。

誰が聞いても素晴らしい理念をもっていたり多くの人々から尊敬されようが、生きて行く過程では大したことでもない。

では実際、現実社会の中で生きる事に必要なモノとは他人が聞いたらバカげていたり、小さく些細な事が生きるキッカケを作ったり励みなったりする。

社会の底辺に陥った映画の中の男は、知らず知らずにそれを知る事になるだろう。

ジャン=ピエール・レオの一切笑わない悲壮感漂う演技は良く表現されているのと同時に、切実なストーリーも他の作品同様アキ・カウリスマキ流のユーモアでサクッと観れてしまう…(u_u)
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