R

ホラー・エクスプレス/ゾンビ特急地獄行のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1972年のイギリス/スペインの作品。

監督は「マドリード美女連続殺人」のユージニオ・マーティン。

あらすじ

1906年、満州の氷壁から発見された未確認生命体の化石。シベリア横断鉄道での輸送中に目覚めた生物は次々と乗客を襲っていく。発見者のサクストン卿(クリストファー・リー「ローグ・ウォリアー 全面戦争」)と偶然乗り合わせたドクター・ウェルズ(ピーター・カッシング「スターウォーズ 特別編」)は事件を解決しようと調査を開始する中、犠牲者の脳から記憶が奪われていることが判明する。

アマプラにて、結構掘り出し物っぽかったのとお話が普通に面白そうだったので鑑賞。

お話はあらすじの通り、謎の生命体(というか、それ自体は類人猿のミイラ?)みたいのをシベリア鉄道で持ち帰っている最中にそのミイラが動き出して、さぁ大変!!という内容になっているわけなんだけど、このミイラが実に特撮愛に溢れているルックで初めは管理されている檻?の中からニュ〜と手を伸ばしたと思ったら普通にガチャッと檻を開けて出てきちゃう、いや普通に知能も意志もあるやんけ!まぁどうやら死んでなかったってことらしいけど、多分めちゃくちゃ低予算なので全体像はそれほど出てはこないか、出てきても全体像を誤魔化すためにずっと暗くしてたりするんだけど、それでも得体の知れない生き物が動き出す描写としては雰囲気抜群。

それでいて、なんといってもこのミイラ、その攻撃手段もなかなか変わり種。どうやら厳密には地球外の生命体、つまりエイリアンらしく、それがミイラの元になった生き物に乗り移ったまんまミイラになったことが明かされるんだけど、ビカビカと妖しく光る目を対象が覗いてしまうとメデューサよろしく瞬時に硬直して、次の瞬間には白目を剥いて顔中の穴という穴から血が噴き出すという当時にしてはなかなかのグロ描写がすごい!!死に顔もなかなかの衝撃度だし、怪奇ムードも抜群!!

しかも、要はその攻撃によって、対象の記憶を奪い取っているらしく、襲うたんびに記憶を吸収しまくって中盤にかけてめちゃくちゃ知能が高くなるという脅威性!!加えて、途中からボロボロになったミイラの依代を捨てて、ミロフ刑事(フリオ・ペーニャ)という人物になり代わり暗躍、1人また1人と次々に襲いまくって、記憶を奪いまくるからなかなか侮れない。

だから、途中からバレるの?バレないの?サスペンスっぽくなってくるんだけど、聖職者なのに悪魔崇拝者という、よくわかんないキモいおっさん神父(アルベルト・デ・メンドーサ「残酷!アマゾネス」)の協力もあり、なんだかんだ難を逃れるエイリアン。

つーか、この神父がマジでイライラするキャラで悪役としては存在感抜群だった!!結局こいつが最終的にエイリアンに成り代わられる存在になっちゃうし。

ただ、終盤なんかめちゃくちゃ濃ゆいキャラ出てきたなぁーと思ったら、なんとテリー・サヴァラス(「バックファイアー!」)演じるカザン隊長ってのが兵隊と一緒に列車に押し寄せて、刑事になり変わったエイリアンを撃退成功!…と思ったら、そこで神父に乗り移り、遂に本気を出してカザン隊長含めた兵隊を次々と殺しまくる!!

で、タイトルにある「ゾンビ」要素はここで回収(といっても終わりまでわずか8分…笑)とばかりにここで新たに死体を操る能力を出してきて、狭い列車内で次々にそれまで死体となった人物が襲いかかってくるんだけど、まぁそこまで攻防せずにラストは崖から列車を落として大味エンド(主人公たちは後部車両で連結を外して難を逃れる)。まぁ変に実はエイリアンだけ生きてましたオチじゃなくてよかったよ。

主要キャラを演じたのも、怪奇映画といえば!なリー御大に「スターウォーズ」のピーター・カッシング、そしてサヴァラスとめちゃくちゃ悪者顔大集合の座組みの豪華さもあり、不思議と安っぽさも感じない作風もあったりと普通に楽しめた作品でした。
R

R