ドント

幻想殺人のドントのレビュー・感想・評価

幻想殺人(1971年製作の映画)
3.2
 美人で奔放なお隣さんが出てくるえっちな夢を見る人妻。ある晩、夢の中でお隣さんを殺してしまった……と思ったら本当に隣室で殺人が!
 フルチが無意識・内面・幻覚・現実の絡まりをエロチックに描く。夢に出てくるイメージがちゃんと現実世界の背景にも置いてあるのが偉い(Fベーコンや不穏な白鳥の絵)(ベーコンの顔面溶解絵画を居間に置くな)。無意識とか夢なんていうあやふやなものを扱いつつ、最後は理屈をキチッと整えてくるお話だったりする。
 断片やイメージを散らせた淫夢の映像が美しくて素晴らしい。庭のロングショット、突然のわんわん生体解剖などに後年のフルチらしさも垣間見える。一方で理屈がキチッと整いすぎていて、ジャッロにしては窮屈な印象も残る。
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