HK

怒りの刑事のHKのレビュー・感想・評価

怒りの刑事(1972年製作の映画)
3.0
ショ-ン・コネリーが『ダイヤモンドは永遠に』(1971)で007を卒業直後、『盗聴作戦』と同じくシドニー・ルメット監督と組んだ作品。
『盗聴作戦』では『ダイヤモンド~』と撮影期間が被っていた(?)せいかヒゲはまだ無かったコネリーですが、脱ジェームズ・ボンドのためか本作以降はヒゲが定番。

本作は見る手段が無いとあきらめていたらCSで放送されたので早速鑑賞。
原題は“The Offense”=攻撃・犯罪・侮辱・悪意
コネリーは勤続20年のベテランながら精神を病んで暴走するちょっとアブナイ刑事役。
もとは舞台劇だそうで、ハデなアクションはほぼ無く、登場人物も限られています。

取調室や自宅など閉ざされたシーンが多く、ルメットで密室と言えば名作『十二人の怒れる男』を思い浮かべて期待してしまいますが、本作は本当に暗くて地味で後味も悪いため、知名度・人気ともに低いのも頷けます(filmaのパケ写も無いですし)。
救いようの無さやインサートカットの多用など『質屋』のテイストに似ている気も。

しかしながら、コネリー自身の持ち込み企画による舞台劇さながらの長ゼリフによる熱演は珍しく(奥さんを罵るセリフが凄まじい)、そこが見どころと言えば見どころ。
中盤からはトレバー・ハワードが登場し、コネリーと1対1の取調室対決が始まるのでここから本番か?とも思ったんですが・・・いまひとつ盛り上がりに欠けました。
HK

HK