爆裂BOX

ウルフクリーク 猟奇殺人谷の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.4
車でオーストラリア大陸横断の旅に出たバックパッカーの若者3人。国立公園のウルフクリークで車が動かなくなった彼らに地元の親切な男性が声をかけてくるが…というストーリー。
オーストラリア版「悪魔のいけにえ」と評されたオージー田舎ホラーです。冒頭で実話に基づいているとテロップが出ますが、バックパッカー連続殺人事件、スノータウンの男女12人連続殺人事件、バーニー夫妻連続強姦殺人事件等複数の事件を基にしてるようなのでこの映画自体はフィクションと言っていいでしょう。
映画前半は主人公であるベン・リズ・クリスティの3人がオーストラリアをめぐる様が描かれていてなんか観光ビデオの様な感じになってます。オーストラリアの雄大な自然の光景なども楽しめますが、特に事件が起こるわけではないので退屈する人は多いと思います。
後半、本作の殺人鬼ミック・テイラーが現れてからの逃亡劇などは結構ハラハラさせてくれますね。このミック・テイラーが最初は凄く人のよさそうな田舎のおじさんという感じなんですが、焚火を囲んで喋ってるときにふと見せる冷たい無表情がゾクリとさせます。終盤で披露するスナイピング技術も中々すさまじい。
リズとクリスティの脱出劇はハラハラさせますが、ツッコミどころもありますね。倒れた殺人鬼にとどめ指さないのはホラー映画では定石と言っていいですね。弾が切れたライフル銃で殴りつけるのはいいけど何故頭じゃないのか。
ゴア描写はあんまりないですが、指が切断されたり、脊髄をナイフで刺されて切られて動けなくなるシーンなどは痛々しく生々しいです。脊髄を切って動けなくするのはバックパッカー殺人事件から頂いたんでしょうね。
逃走しようと足掻き続けた二人がバッドエンドを迎えて、終盤まで意識を無くしてほとんど動かなかった者が何とか逃げ出せるラストも無常感あっていいですね。とばっちりくらったおじいさん可哀想。
前半はちょっと飽きますが、後半の容赦ない展開は中々楽しめた田舎ホラーでした。