misty

裏切りのサーカスのmistyのネタバレレビュー・内容・結末

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

サーカスという名の諜報機関トップ5人の中にソ連の二重スパイ「もぐら」がいる疑惑が持ち上がり、不祥事でサーカスを追い払われた元スパイがそのもぐら探しを淡々と進める映画。最初に言うけど、この映画の良さを味わうには解説読んでからの2回目が必須。味がじわじわでてくる…

現実か回想かの区切りが曖昧でまあ難しい、難しいけど確かによくできてる そこにはそんな意味があったのか!その視線のやりとり、何を伝え合っていたんだよ?!と、俳優達のノンバーバルな芝居に震える。特にゲイリー・オールドマンとコリン・ファースの対峙、そしてラストのビルジムに心が震える

スパイ映画は決してイーサン・ハントやジェームズ・ボンドが派手に立ち回る世界ではなく、こういう薄暗く湿っぽい、少しだけ心が痛むような告発劇の世界だったのだろうな。(原作者はMI6のガチ元諜報員)大事なのは謎解きじゃなくて、あのとき君は何を思ってわたしを見てたの?という、視線の中の物語。

激渋なオトナ映画だった きつめのお酒を頂きながら観たい感じ。ビルジム、来世で幸せになってくれよ頼むから(そしてその来世ってもしやキングス…ハッみたいな展開)そしてデスロードにレヴェナントにダンケルクの印象が強すぎるトムハ、こんなブリティッシュなイケメンは知らん

こうして内部で踊らされ、少しずつ解体され、権威の持ち主は入れ替わり、昔はよかったね、なんて言われちゃう組織の名前が「サーカス」なのが切ない みんな努めて道化であろうとしてたんだ、スパイなのに…
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