ベビーパウダー山崎

ニューヨーク麻薬捜査線のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ニューヨーク麻薬捜査線(1975年製作の映画)
3.5
空気を読めない若手警察官がひとり暴走して潜入捜査官の女性を撃ち殺して気が狂って牢獄で首つり自殺。勝手な正義感が狂気となり悲劇に繋がる、誰も救われない絶望的な70年代アメリカ映画で良かった。デパートのエレベーター内でその若手警察官と売人の黒人が銃を突き合わせながら一対一で閉じ込められる終盤が最高、身体中汗だくになり汗まみれの顔と顔、これがフィルム。ドキュメンタリー的なゲリラ撮影で薄汚い街に巣くう欲深い人間を誠実に映すミルトン・カトセラス、前二作とは明らかに違うリアルさで勝負していてこんな映画も撮れるのかと素直に感心した。