ピッツア橋本

ユン・ピョウ in ドラ息子カンフーのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

4.5
"強そうに生きてゆくよりも 本当に強くなる為に"

巷ではカンフーの達人で暴れん坊のユンピョウ。実は金持ちの親の根回しでみんな負けてくれていただけなのであった。
そうとも知らずに、とある京劇の女形スターにして本物のカンフーマスターにボコボコに晒され、ユンピョウは恥を忍んで彼に弟子入りを志願するのだが中々応じてもらえない。
そうこうしているうちに、マスターの強さに惹かれるように新たなカンフー強者が現れ、一戦交えたものの、マスターの持病の喘息が悪化し、強者の付き人達のある画策によって事態はとんでもない方向へと発展していく…

といった流れの主演ユンピョウのカンフーアクション。

とにかく自分より強いカンフーの使い手には弟子入り志願、理不尽な根性特訓、そして勧善懲悪なラスボスとのカンフーバトル。
この3大要素がいかに派手で気持ち良いバランスでできているかがこの時代のカンフー映画の肝心要。

本作はどれも上手くいっているし、ストーリーに"京劇"の悲哀や蘊蓄、舞台装置としてとても効果的に絡んでいて、劇的な面白さに厚みを出している。

特に炎上する舞台の中、燃える旗を振りながらの殺陣はスリルと美しさを感じた。

サモハンがいつものコミカルなんだけど、老けメイクが凄くて、最後の方で本人だと気づく新鮮さがあった。

何気にラスボスとユンピョウの生い立ちがリンクしていて、その運命とどう向き合うかっていうテーマはしっかり描かれていた気もする。

ユンピョウはカッコいいしセクシーだけど、もっと根深い所で応援したくなるチャーミングさがある。本作ではそれが特濃で出てる気がする。

評判通り、ユンピョウ主演作では傑作の一つだと思いました。
ピッツア橋本

ピッツア橋本