しばらく前に観たんですけど、残念ながら宗教知識の無い私には感じ取れない壁を感じました。
フリーゾーンとは自由貿易地域を意味します。パレスチナ問題が背景の最初から最後まで暗くて湿っぽい内容です。
入り込めなかったとは言え、最後まで観たのは なんと言っても あの凄まじいオープニング。
歌の歌詞が恐ろしく、『お父さんが市場で安く買って来た子羊を、待ち伏せしていた猫が喰い殺す、〜肉屋が牛を殺しにやって来る、その肉屋を...』みたいな、怖すぎる歌詞なんです。人身売買の歌でしょうか。兎に角 救いようの無い歌なので、救いようの無いパレスチナ問題に喩えてるのか。
それを 暗い声で女の人が歌い続けてる音楽の中、ユダヤ人役のナタリーポートマンの死んだような目から化粧が崩れ黒い涙と鼻水を流すドアップ。冒頭10分ほど これがまぁ、強烈なんです。
ナタリーポートマンみたいな有名女優が、こんな映画に出ていることは 好感的ですね。彼女はユダヤ人ですし。
エルサレムの嘆きの壁付近で撮影をしていた為にユダヤ教から非難されてカットしたシーンがあるのだとか、もしかして、これほどに 入り込めないように仕上がってしまったのには、カットされすぎた背景なんかがあるのかなと 勘ぐってしまいます。。
ラストでまた あの音楽がかかります。
歌詞の続きが出て来ます。『羊は私』と。
何の解決の無い 今を写した不安に溢れかえった現地の人間をリアルに表現してるんだと思います。ドキュメンタリーな要素を持ち合わせてました。
ヨルダンのフリーゾーン(自由貿易地域)に着きさえすれば、解決するから と向かうのに ついたところで何も解決しない現状。
なんてことでしょう、ここで 難解に持っていくなんて 良いセンス、、だなんて言ったらダメなんでしょうけど、なんせ リアルなことなので、、
宗教、人種、言語、文化の壁からのフリーゾーンを捜して彷徨う人々の様に見えます。ぞっとします。