umihayato

バクステール/ぼくを可愛がってください。さもないと何かが起こります。のumihayatoのレビュー・感想・評価

5.0
ブルテリアのバクステールが語る
人間と犬、"雄とナチズム"映画。
全世代の雄の内にある抑えきれないファシズムを見事に映し出す怪作だと思いました。

何でも自分の思う様にならないと気が済まない犬のバクステールと、ヒトラーに憧れる13歳の男の子シャルル。
ナチズム・ファシズムとして、出会いたてこそ相性の良かった2人。
しかしその内部崩壊は、バクステール自身すら思いもよらなかった"子供への愛と喪失の悲しさ"であったことが、何とも胸に染みる。

13歳のシャルルがこの先、優秀なネオナチになってしまうのか、バクステールへの罪悪感を反省して更生できるのか。
願わくば後者である事を願うし、ナチズムの悪性を、13歳反抗期と言う最もナチズムに憧れやすいであろう世代を通してストレートに描いきつつ、他世代の男たちを通して"雄の有害性"をも、わざとらしくも特別でもないお話で炙り出していて、なかなかすごい映画でした。

80分と短いのもポイント高い!!
動物虐待シーン(この時代だし本当にやってるよね)があるのだけちょっと残念でした。。。
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