カタパルトスープレックス

二重結婚者のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

二重結婚者(1953年製作の映画)
3.2
アイダ・ルピノ監督による結婚を題材としたノワール作品です。ノワールなので犯罪を取り扱ってるのですが、本作の題材はタイトルにもなっている二重結婚です。主人公はファム・ファタールならぬ、オム・ファタール。男性版のファム・ファタールですね。

話は単純。主人公のハリー(エドモンド・オブライエン)は愛する妻イヴ(ジョーン・フォンテイン)がいながら、出張先でフィリス(アイダ・ルピノ)を愛し、子供までできてしまう。異なる土地で二重結婚生活をはじめるのだが……という話です。

アイダ・ルピノ監督がなぜこの作品を作ったのか、とても興味深くはあります。本作の脚本家コリアー・ヤングは実際にジョーン・フォンテインとアイダ・ルピノと結婚していたのだそうです。もちろん、同時期にではないので、二重結婚ではないのですが。なぜこの作品なのか。

一つは女性がヒーローで、男性がオム・ファタールでもいいじゃないかってのもあるんでしょうね。そういう意味ではとても女性らしい作品とも言えます。ただ、面白いテーマの作品ではあるのですが、サスペンスとしては弱いんですよねえ。