ベビーパウダー山崎

ミラクルズ/奇跡のカップルのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

2.5
『張り込み』などの脚本家ジム・カウフの監督作。別れる寸前の夫婦が思わぬ災難に巻き込まれていくうちによりを戻すコメディドラマ。その二人のドタバタの最中に意図せず周囲の人々がラッキーを手にする(奇跡で救われる)オマケ程度のドラマがついていくるが、これは脚本家が監督した際のやりがちな悪手。必要もないのに物語になにか一つ足したくなるのは脚本家の性(そして大抵は失敗している)。
飛行機を不時着させたり小舟を転覆させたり飽きさせないように舞台を目まぐるしく変えているが、芯がないので粗雑に見える。関係性は二の次で場所と状況を用意して物語を強引に進めていくのはとても80年代アメリカ映画。今はこれほど騒がしい映画は撮れないし撮らない。個で始まり個で完結するのが主流。コメディアンヌとしてのテリー・ガーは最高。