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スタローン in ハリウッド・トラブルのBaadのレビュー・感想・評価

3.4
原題:Kambakkht Ishq 2009年 インド ヒンディー語

監督が『ムンナー・マイケル』と一緒で、実はタイガー・シュロフの育ての親的人、というのに興味を持ち今更見ました。

評判散々ですが、アッキー(アクシャイ・クマール)が当時出まくっていたよくあるラブコメの一本で、内容は通常運転でくだらなく、まあ楽しい。今でこそ社会派映画にも良く出る国民的トップスターですが、当時はどんな映画でも引き受けてくれるスターという位置付けだったようです。ただ、結婚前で最高に輝いていたカリーナさん演じるヒロインの性格が今では考えられないほど酷い。この辺はNRI(国外在住インド人)だから許容範囲なのかな?

アッキーはスタローンの吹き替えもする凄腕スタントマン。弟の結婚に何かといちゃもんをつける美人外科医兼モデルにカリーナ。弟役の俳優さんかわいい。

スタローンは受賞式とヒロインのトラブルを助ける役で出てきますし、他にハリウッド俳優も出てくるんですが、ごめんなさい、この頃アメリカ映画、メジャーどころはほぼ見ていないのでわかりません。スタローンでさえ、ロッキーに出てくる人レベルで止まってます(笑)。アメリカのユニバのアトラクションを利用しているとのことですが、ディズニーランドよりは楽しそうなので、大阪にあるやつに行きたくなりました。

シット・コム並みにくだらないラブコメですが。これが苦手だときついかも。私はまあ、テレビドラマだと思って流してみたので大丈夫でした。あと、ダンスシーンは結構いいですね。カリーナはベストに近い振り付けなんじゃないかと思いました。『チャンマック・チャロー』に近いかな?アッキーも結構気合入っている。

真面目になりすぎた今のボリウッド映画にはまず無いくだらなさは今時貴重。こんなくだらないことを大真面目にやってくださる役者さん達には感謝しかありません。

ロケもハリッドから映画撮影という名目でイタリアまで飛ぶし、サービス満点。

サビール・カーン監督、この映画がデビュー作で、次のタイガーのデビュー作2014年の”Heropanti(英雄気取り)”まで作品ありませんでしたが、本作がヒットしたので働かなくても良かったのかな?(まさか)驚くべきことにインドでは年間興行収入ボリウッド映画6位で、豊作だった2009年の名作映画の数々に勝っています。

ということなので、配給会社さん、インド国内での興行収入と最近は少しでも宗教的政治的に障りがあると集団で点数操作が行われるIMDbの評価はあまり信用しないでね。

この監督はその後の映画も"Baaghi"、『ムンナー・マイケル』と普通にヒット映画を輩出している堂々たるヒットメーカー。DVDもかなりお安く入手できるようなので、興味がある方は話のタネに流し見しても良いかもしれません。

Eros Now配信 英語字幕
(スタローンはただの助っ人のボリウッド・ラブコメ 2021/10/18記)
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