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ブッチャー・ボーイのlarabeeのレビュー・感想・評価

ブッチャー・ボーイ(1997年製作の映画)
3.7
【どこからこんなブッ飛び主役俳優を見つけてきた?】

哀しい、哀しすぎる。誰も少年フランシーを責められない。

母親はメンタルをやられ、元トランペッターの父親はアル中。上流のご婦人から蔑まれ、それでも友人ジョーと逞しく生きていくフランシー。

問題ばかり起こし施設に入れられてもめげずに彼なりに懸命に今を生きていく。だが徐々に行動がエスカレートし、遂に振り切ってしまう。そして唯一心を許す友人ジョーからも距離を置かれてしまう。

主人公フランシーの倫理観の欠如した狂気と青少年特有の不安定な価値観を見事に描き切ったニール・ジョーダンの撮る力に敬服、さすが。

そしてフランシーを演じたイーモン・オーウェンズ!ちょっと目がイッちゃってるあんな俳優、どこでどうやって見つけて来たの?!ネットにも殆ど情報無く、余り他の作品にも出ていないよう。

この作品は日本では神戸児童殺傷事件の影響で公開が見送られたらしいが、この年頃の青少年の価値観は余りにも不安定で、現実と空想の境目さえも危うい。非常に危険なストーリーなのだが、それをコミカルなテイストを入れながら飄々と作品に仕上げているが凄く恐ろしい作品である。

青少年は危うい、それを導くのは大人の責務である。
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