りんごチャン

恍惚の人のりんごチャンのレビュー・感想・評価

恍惚の人(1973年製作の映画)
3.9
2019年初鑑賞はやっぱり70年代。

「すいませ〜ん。ご飯くださ〜い。」って四六時中言っていた近所の認知症のおばあちゃんを思い出した。森繁久彌扮する茂造おじいちゃんもご飯のことばかり。

子どもに戻るとは的を射た言い方で、行動はもちろん正直かつ残酷な発言にクスッと笑えたり母性本能くすぐられたり。しかしお世話をする家族にとっては大変な気苦労で、かつてこのおじいちゃんにいじめられた嫁・昭子(高峰秀子)には本当に頭が下がる思い。ジャケットの写真のシーンでのおじいちゃんが安堵して放つ言葉に涙がポロポロ…

買い物帰りに白い花をみつめるおじいちゃんはまさに恍惚の人だった。あと昭子さんのお勤めファッションがステキだった。