EugeneHashimoto

ベン・ハーのEugeneHashimotoのネタバレレビュー・内容・結末

ベン・ハー(1959年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

終始静かなトーンを貫きつつ感情豊かに人間味を見せるエスター像がよかった。

裸同然の丸腰なのに武装した敵がなだれ込んでくる絶望、船が沈んでいってるのに鎖に繋がれている絶望が丹念に描写されていてよかった。全編通して最もグロテスクな映像はこのあたりあったかもしれない。ジュダがローマ兵をのして鍵を奪い、鎖を外すなどする描写は大事だったと思う。

アリウスを助けたジュダが甲板に引き上げられ、そこから漕手の詰め込まれた下層(つい最近まで自分もいたところ)を見下ろすカットが印象的だった。

ピラトの登場がよかった。ごく普通の気のいい社交人といったかんじで自然に画面に入ってきて、二三言葉を交わしたあと彼がピラトだと説明される。

レースのくだり、劇伴を省いて群衆のリアクションに観客の聴覚を集中させているのすごく賢いと思った。音楽よりも情報量が多く、しかも伝わる情報が的確。
EugeneHashimoto

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