タオリー

ベン・ハーのタオリーのネタバレレビュー・内容・結末

ベン・ハー(1959年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

212分!
長い!
『タイタニック』『LOR/王の帰還』と並んでアカデミー賞最多受賞作のひとつ。

ローマ帝国を舞台にしたスペクタクル叙事詩。
CGのないこの時代ならではの人力の迫力がすごい。
エキストラだけで12万人。

コスト目的でイタリアのチネチッタで撮影されたらしいけど、セットも豪華。
巨大プールで撮影された海戦シーンは本当に海と見紛うほど。

そしてこの映画の一番の見せ場である古代戦車のシーン。
膨大な数のエキストラ観客と完璧に調教された馬達。
スタントと俳優が実際に乗って行うアクションシーンはあえて音楽無しで、言葉通り手に汗握った。
映画館のスクリーンで観たらすごかっただろうな。

ストーリーはモンテ・クリスト伯をベースにした原作小説が元。
主人公の人生とキリストの生涯を重ね合わせているから宗教色が強い。
映画の中ではほんの少ししかない主人公とイエスの邂逅シーンが結構効いてて、物語の深みを強めているように感じた。

同時代の大作『クレオパトラ』は豪華絢爛なセットと衣装と麗しきエリザベス・テイラーでエンタメ的に負けず劣らず面白いと思うんだけど(確かに上映時間は長すぎ)、『ベン・ハー』が批評家から絶賛されたのとは対照的に『クレオパトラ』がボロカスにこき下ろされたこの差は何なのだろうとも思う。
やはりキリスト教絡みなのかなぁと邪推してしまう。
キリスト教圏からしたら、

キリスト教=善
ローマ帝国=悪

という構図は評価されやすいとか?
『クォ・ヴァディス』も然りだし。

そういえば『クォ・ヴァディス』がヒットして、後に『ベン・ハー』でその衣装とセットを使ったとか。
確かにこの規模の作品だったら衣装とか山程あっただろうし、使い回すのも納得。

ストーリーに共感できるかと言ったらそうでもないけど、アクションは迫力あって良かった。
タオリー

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