うにたべたい

中国超人インフラマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

中国超人インフラマン(1975年製作の映画)
3.0
香港で作成されたヒーローもの特撮映画。
氷河期に地球の地下に逃げ込み生き延びた超人類"氷河魔族"が、地上を取り返そうと迫り来る。
科学研究所の所員「レイ・マ」は、氷河魔族の怪人と戦うため改造手術を受け、太陽のエネルギーにより超人的なパワーを発揮するインフラマンに変身して戦うというストーリー。

これがすごくいい感じでB級でした。
真剣に作ってるんだろうなーという思いは伝わるのですが、次から次へと繰り出されるトンデモ展開に突っ込む隙すら与えずスルーしてストーリーを進める感じが非常に心地よかったです。

ストーリー展開は非常に真面目で、基本的にギャグ等は挟まらない感じで進行します。
主人公の変身ヒーロー"インフラマン"のデザインも頭が大きすぎる感じは受けましたが、時代的なところで仕方ないポイントかと、赤を基調としたスタイリッシュなデザインだと思いました。
また、怪獣のデザインも無難な感じで悪くないのですが、敵幹部の1人のエレキアイの衣装がエロすぎてそれどころじゃなかったです。
なぜこんなセクハラな格好をする必要があったのか、インフラマンの仲間の研究員を攫って洗脳したり、結構終盤まで活躍するのですが、洗脳ビームいらないよね、普通に攫われた先にこんな痴女がいたら土下座してでも仲間にしてもらいますわ。
エレキアイとの戦闘はビームが中心なのですが、激しい格闘をして欲しかったと思います。

また、序盤主人公の改造手術中に研究所が怪人の襲撃にあい、停電になって改造中のレイ・マがビクンビクンするシーンがあるのですが、研究所員達が怪人相手に結構奮戦するんですね。
本シーンのみでなく、敵の戦闘員と研究所員が乱闘するシーンがあります。
通常の特撮では研究所員なんてモブ扱いですが、本作の研究員は普通に強いです。
インフラマンがピンチの時、通常はサブヒーローが現れたり、隠された力に目覚めたりするものですが、本作で駆けつけるのは全身銀ユニフォームの研究員たちですからね。
香港映画な為か全員動きキレッキレで、「アチョー」とか言いながら戦闘員を叩きのめしだすので、頼りになることこの上ないですね。
所長からして人体を改造して超人を作り出す危ない人物なので、氷河魔族もとんでもないところに喧嘩を吹っ掛けてしまったものだと嘆いていることと思います。

90分程度の映画ですが、その間に経緯から改造手術、怪人との戦いが6回ほどあり、仲間の洗脳、ボス戦、エンディングと、かなり詰め込まれた内容ですが、それにも関わらず、途中で退屈を感じました。
楽しい時間なのにあっという間に過ぎないというファンタジー。
万人におすすめはしませんが、こういう微妙な作品をこよなく愛する諸氏には是非見てほしい一本です。