がんちゃん

RPGのがんちゃんのレビュー・感想・評価

RPG(2009年製作の映画)
3.0
リアルRPGやってみたら大変なことになったwww

-あらすじ-
痴呆の父と暮らす若者エリックはある日家出した兄ビョルンから連絡を受けた。兄は北欧神の血を引く戦士ビョルン・マグヌソンを名乗り、闇の神官マータグとのラグナロク(最終戦争)に備えるべく伝説の戦槌ミョルニルを探し求めていた。
果たしてエリックは厨二病の兄を連れ戻し、オタサーの姫と化した恋人のエヴリンいや氷風の谷のエヴリニア姫を救うことができるのか⁈

「LARP(ライブアクションRPG)」を題材にしたカナダ映画。
LARPとは、現実世界でゲームの登場人物となってフィールド内を歩きまわり、会話や戦いなどを行いながらストーリーを楽しむ体験型ゲームのこと。日本には団体が2つしかないものの、ヨーロッパでは数千人規模のイベントが毎年開催されている。YouTubeで検索すると、柔らか素材の手作り武器でしばき合うもはや罰ゲームのような爆笑動画が拝める。しかし濃いめのアイラインにファンタジー風コスプレの外人さん、悔しいけど様になるんだなぁこれが…

本作のストーリーはカナダの大規模LARPに参加中のプレイヤーたちが次第に行動をエスカレートさせていくというもの。平凡な人間が閉鎖的な状況において権威者の指示に従い冷酷な行為を行う現象「ミルグラム効果」を扱った映画としては『es[エス]』が有名。

という訳でおもしろ要素が相当含まれている本作だが、今ひとつ設定を活かしきれていない「大変惜しい映画」な印象。

1番の不満はミルグラム効果というよりも、単にオタサーの姫を男たちが取り合うサークラ映画に見えてしまったこと。本当にRPGの役に入り込んでしまったガチ勢たちの常軌を逸した姿をもっと観たい!
むしろサスペンスではなくヒューマンコメディ路線の方が良かったのでは?他人から笑われようと好きな事に熱中できるって素敵なことだと思うのよ。テリー・ギリアム監督『フィッシャー・キング』のロビン・ウィリアムズみたいな。なんならラストで本当に魔法とか使えちゃう的なね。僕らはもう1人じゃない。ドラゲナイ。

そもそもLARP自体についてもっと知りたかった。「騎士はもう嫌だ」「じゃあエルフになる?空いてるわよ」「ゲイも嫌だ」とか爆笑。エルフ人気ないのか(笑)
下手にサスペンスにせず、もはやLARPの紹介映画で良かったよ!

ちなみに自分も幼稚園の時、おともだちとヒーローごっこに熱中した記憶がある。
自分自身はヒーロー役か悪役のどちらだったかは定かではないが、女子たちが【囚われの姫】を演じていたのだけはよく覚えている。女性には生まれつきそういう願望があるのかもしれない。ジャングルジム(牢屋の設定)の周りで手を繋いで「たすけて〜」などとノリノリで男子たちを待つ姿を見てムズムズしたものだ。思えばあれが性の目覚めだったのか…
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