木上

借りぐらしのアリエッティの木上のレビュー・感想・評価

借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)
3.5
オタクの嗅覚的に、翔のあの「こわがらないで…」は非常に官能的だと気づいてはいたのですが、なぜそこまでの描写をするのか当時は気づかなかったです。
死(滅び)に近い存在の、種を残そうという本能がそうさせるのだという解釈を耳にしましたが、それってとても廃退的ではないでしょうか?
まるで死にゆく者は美しいと主張しているかのような。
「君はぼくの心臓の一部だ、忘れないよ。ずっと」ってセリフは重すぎて翔の一方通行にも思えます。
萩尾望都の「トーマの心臓」の影響があるらしいんですけど……
心臓というワードに焦点を当てるなら、私はトーマの心臓を、神の祝福を受けるためのものか神の愛そのもの(を愛する人にトーマはあげた)だと解釈してたんですけど……(あるいはトーマ自身が愛≒主人公(ユダ)にとっての神)
単純に生命力の意?
脚本の宮崎駿が「廃退的な少年美」を表そうとしたというのなら、もっと崇拝的な意味を含むのですかね…まだわかりません……。
木上

木上