このレビューはネタバレを含みます
一見、トンデモ映画な印象だったが数日経ってジワジワと味わいが感じられてきた。
wiki調べによると、原作は1959年のスパイ小説『影なき狙撃者』(リチャード・コンドン作)。〝朝鮮戦争で捕虜となり、洗脳を受けて米国に帰国した政治一家の息子が、共産党の暗殺者として暗躍する〟お話。
本作では、朝鮮戦争を湾岸戦争に、共産党を軍事私企業に書き換えた。そして黒幕は母という究極の〝私〟。
もはや、現代の西側の〝敵〟は、中国でもロシアでも共産主義でもなく、利益の最大化を求めて肥大化し倫理観を失った私企業そして個人なのである。
映画の作りとしては、ホテルの壁をぶち抜いた先に最新鋭のラボが用意されてたシーンはいただけない。あそこをもっとリアリティのある内容にしてくれてたら、より洗練された納得感のある物語になったのではないか。わざと妄想的に描いたのか知らん。
デンゼルとメリルなど、名優たちの存在で格上げされてなんとか成立してたって感じが残念。
ベラ・ファーミガのブルーアイズが素敵だった!