けーな

サン・ルイ・レイの橋のけーなのレビュー・感想・評価

サン・ルイ・レイの橋(2004年製作の映画)
3.1
見ている人が非常に少ないし、レビューを書いている人が1人もいないので、驚いた(2017.7月現在)。

ロバート・デ・ニーロ目当てで見たが、キャシー・ベイツ、ハーヴェイ・カイテル、F・マーリー・エイブラハム、ガブリエル・バーン(「ユージュアル・サスペクツ」が印象深い)など、実に豪華キャスト。

南米ペルーで起きたサン・ルイ・レイ橋の崩落事故という実話をもとに、ソーントン・ワイルダーが1927年に書き上げ、1928年にピューリッツァー賞を受賞した小説を映画化したもの。

橋が落ちた事故によって、5名の犠牲者が出た。修道士ジュニパーは、神が、その5名を選んだことに理由があるのではないか?と考え、その5名の生前の暮らしぶりについて詳しく調べ、本にした。しかし、そのような行為は、神への冒瀆に当たると、ジュニパーは、異端審問にかけられる。

まず、この映画を見て、一番驚いたことは、18世紀に、ペルーでは、当時のヨーロッパの貴族と同じようなカツラや衣裳を身につけていたんだということ。カツラというのは、例えば、モーツァルトなどの音楽家がつけていたカツラと言えば分かりやすいだろう。中世のヨーロッパで、宮廷や貴族の男の人達が、正装の時にかぶっていた、あのカツラである。そのような中世ヨーロッパの風習と文化が、ペルーにもあったということに、まず驚いた。スペインの占領下であったからだろうが、今では、ペルーと言うと、マチュピチュなどの古代遺跡や、独自の民族衣裳の方が印象深いので、とても意外に感じた。

とにかく、豪華キャストの演技と、前述したような中世ヨーロッパの雰囲気を持つ凝った衣裳の数々を見るだけでも、一見の価値はある。しかし、今一歩、何かが足りなくて、あまり惹きつけられないのも確か。異端審問を執り行う大司教役のデニーロは、迫力あったが、宗教的な要素を把握できないせいもあり、理解し切れない映画だった。
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