水原秀策

悪い子バビー/アブノーマルの水原秀策のレビュー・感想・評価

3.6
まさにカルト映画。冒頭20分のえげつなさ、容赦のなさは正視するのが辛い(猫!)レベル。そこから予想もつかない方向に展開していき、ラストには心底たまげた。

お勧めはしないが見て損はないし、「あれは凄かったね」と他の人と語りたくなる類の映画だ。

気になったのは主人公が時折常人と同じリアクションを取るところ。金を盗むところとか、誰もいない自宅に戻って泣くところ、とか。

ただし、欠点はありながらも捨てがたい美点も多い。特に恋人が親から酷い目にあまされたあとの主人公の言動、あれはあくまでも「借り物の言葉」ではあるがそこに主人公の心情が乗る。あの展開はマジでうまい。他にも教会のオルガン弾きの男の使い方など、低予算のゲテモノ映画のはずが、意外な技巧を見せつけられた。
水原秀策

水原秀策