水原秀策さんの映画レビュー・感想・評価

水原秀策

水原秀策

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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.1

途中までは非常によくできてるなと思った。この構造を考えただけで勝ちは勝ちだ。ただ、中盤すぎから「なんで証拠を取っておいたのか」とか「いくらなんでも周囲の大人たちは勘が良すぎるだろ」とかアラが見えてしま>>続きを読む

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)

2.1

オープニングのところで、相手が怪しいとわかってて名刺を渡した時点で萎えた。いくらなんでもうかつすぎるだろう。それで娘が危なくなっても、自業自得しか言いようがない。
相手は職務上主人公の車のナンバーなど
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.6

まさにカルト映画。冒頭20分のえげつなさ、容赦のなさは正視するのが辛い(猫!)レベル。そこから予想もつかない方向に展開していき、ラストには心底たまげた。

お勧めはしないが見て損はないし、「あれは凄か
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.4

映像に語らせようとする監督や撮影監督の意思が画面の隅々にみなぎっている。改めていい映画だと思った。定評あるこの映画に論評を付け加えるものはない。よって再見して気がついたことを列挙する。

・ドニミク・
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

ゴジラの暴れっぷり、やられっぷりは最高だった。ただ、人間ドラマのパートが……べたべたして気持ち悪すぎ。

特にひどかったのが神木隆之介。「怒ってます」「耐えてます」「悲しんでます」とスイッチを切り替え
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

2.7

「エイリアン2」+「AKIRA」+「ロボコップ」+「子連れ狼」みたいな感じの話。あと「スターウォーズ」のデススターか。

最大の問題は「兵器」の能力がはっきりしないこと。何ができて何ができないのかよく
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.0

画面から漂う「高級感」。なぜそう感じるのかはわからない。とにかくこの映画の映像はレベルが違うというのが誰しもわかるはず。
ただ、残念ながら脚本は映像のレベルに達していない。

そもそもあの二人組の殺し
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おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)

2.0

タイトルとそのワンアイデアだけの映画。薄っぺらいキャラクター、穴だらけの脚本、見るべきところがない。映像もほとんど二時間ドラマよう。脇の刑事のただ絶叫してるだけの演技とかまあ酷かった。

ツッコミどこ
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

2.5

原田監督独特の「クセの強さ」がマイナスに働いてると思う。まあ、はったりかましてくる感じは楽しいんだけど、ちょっとやりすぎでは? 哲学書読んでる賭場屋の姐さんとか天童よしみとか見てるうちにだんだんバカバ>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

1.1

ミステリー映画の欠陥を煮詰めたような映画。
① 犯人の動機が荒唐無稽すぎ
②謎解きまでの展開が単調
③ 犯人がわかってからが長すぎる。

特にひどいのが③。もう話は終わってるのに延々と話が続き、うんざ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

2.5

この手の「作り物」感を前面に押し出してくる作品は私には合わない。話に没入できないからだ。没入しかけるとバックステージのパートになり、引き戻されてしまう。そもそも観客が物語に没入するのを監督自身、望んで>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.0

理屈が前面に出て、互いにそれをぶつけ合う展開が続き、正直ラストは退屈した。フェミニズムですら相対化する視点はいいと思うが。こういう理屈やメッセージを登場人物同士セリフで言い合う展開は好みではない。>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

1.6

アクションを見るための作品でストーリーを云々するのは野暮だとわかってる。が、いくらなんでも酷すぎる。

「鍵が欲しいんだったらベニスで女を殴り倒したとこで奪えばいいんじゃないの?」とか「あの時点でトラ
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.0

難解な文芸大作を見せられるのかと思ったら、よくできたエンタメだった。面白かった。
ただし、私はこの映画にとって「良き観客」ではなかった。その理由は2つ。「レスリー・チャンよりコン・リーを美しいと思って
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

1.9

宮崎駿アニメの残骸を見せられてる感じ。ラピュタ、千と千尋、ハウル、ナウシカ、ルパン等々で見てきたような映像が出てきて思い入れのある人たちには楽しかったのだろう。私はそこまでじゃないので正直退屈だった。>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

2.1

少年少女の超能力戦。問題は少年の「第二の能力」がどうやって開発されたのか、さらにその限界がどこにあるのかわからない点。ていうか、あんなことができるんだったら敵なしでしょう。説明を省く演出は私好みではあ>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

2.0

割と早い段階で主人公二人が仲良くなってしまって感情の振れ幅が少ない。
こういうのは対立させておいてだんだん心を開くから感動するのであってそこは定石どおりやったほうがよかったのではないか。

おばあさん
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渇水(2023年製作の映画)

1.1

主人公が行動を開始するのが映画がほとんど終わりかけた頃。ダルいし、辛気臭い。もっと早く行動を起こさせて足掻かせないと映画にはならない。

ていうかね「水は本来タダであるべき」って思想、いくらなんでも無
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ハマのドン(2023年製作の映画)

1.5

藤木にとって都合の悪い事実を隠し、ドキュメンタリーと名乗るのはどうなんだ?

藤木が会長を務める協会は今「スポーツベッティング」という名前を変えたカジノを山下埠頭に作ろうとしてる。
この事実を知っても
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怪物(2023年製作の映画)

3.9

是枝監督のベスト。脚本を他人(坂元裕二氏)に任せたのが正解で、是枝作品の「欠点=論理的な破綻」がないので「美点=役者から演技を引き出す能力」が全面展開されている。

是枝監督の過去作は脚本の詰めが甘い
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

2.0

展開がない。最初に示されたデータ「一見楽しそうな父娘の休暇風景だが、不穏なムードが漂い、父親のメンタルが危うい」というところから最後まで動かない。流石に飽きる。

ラストは音楽の使い方も含めて非常に良
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最後まで行く(2023年製作の映画)

1.1

登場人物たちの行動が「どうしてそんなことする?」とか「先にそうしろよ」みたいなものばかりで真面目に見てるのがバカらしくなった。

途中まではグッと飲み込んで見てた。導入のとこから「ん?」と思ったが、少
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

面白かった。難解、みたいな評があったけど、別に難解でもなんでもない。昔からある「ピカレスクロマン」だよね、これ。「感情移入」絶対主義の人には受けないだろうけど。

セリフで説明せずに描写し、しかもその
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.5

スコアは横浜流星の魅力のみでの評価。殴られてぐっと耐えてるのが絵になるなんてスターの証拠だ。しかも演技の幅も広い。隠蔽を持ちかけるとこの表情の作り方は素晴らしかった。

映画はね。もう少しちゃんと脚本
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幻滅(2021年製作の映画)

1.5

ナレーションが多すぎ。ラジオドラマじゃないんだから、説明はいらん。邪魔。

それとこの監督は「ピカレスクロマン」の勘所がわかってない。
ポイントは
①イケイケのところを思い切り楽しく
②落ちていくとこ
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.5

この点数は例のダンスシーンだけの評価。あのシーンは確かに何かマジックが起きている。急に明かりがついたかのようにキラキラして見えた。

他はゴダールのアンナ・カリーナへの執着がすけてみえるようで気持ち悪
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

1.0

この映画、ダサくない? 映画のルック、話の展開、劇伴のすべてが。特にダメなのは「事件」の解決に数学が無関係なこと。

ツッコミどころを言い出すとキリがないが一つだけ。中盤での敵対する教師が問題の解法を
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

2.0

「視点」の問題が気になって話に入れなかった。「この画面を操作してるは誰なの?」「誰がこの映像を見てるの?」というところが緩すぎて。

特にラスト。あの映像は何? 犯人が監視用に撮ってたってこと? だ
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ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.0

「物語」を語ることを放棄してるゴダールに対して、私は未だに「物語」をみたいと思ってる人。合うわけがない。しかし、そう切り捨てられない何かはある。

若かった頃、ゴダールの映画を「映像はカッコいいとこも
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

2.5

暴力描写に緩急がなくさすがに途中で飽きた。そう考えると元ネタの宇宙船内のあの映画とか未来から凶悪なドラえもんがくるあの映画とかよく出てきてなと。(ビジュアルはまんま例のゲームの二作目)

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.5

マイケルの未来を知ってるだけに「先見の明ありすぎだろ」と思い、セリフに嘘くささを感じてしまった。

前半は良かった。80年代の音楽も懐かしく、楽しくみていた。が、後半になるにしたがって「あんたは未来か
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

1.0

クソつまんない。実験映画で監督のやりたいこともわかるが(徐々に日常が崩れていくみたいな)、実験につきあわされる方の身にもなってほしい。退屈なだけで面白かったのはラスト付近の3秒間だけだった。

高評価
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雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

2.5

世評に反して子役の演技が良くない。最近、洋画の子役のうまさを見せつけられてきたせいでどうしても比較してしまう。(『カモンカモン』等)

特にダメなのが相手がセリフを言ってる時の受けの演技。ろくに聞いて
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.0

二作目よりは確かにこちらの方が格段に面白い。無理に笑わせようとしておらず、また主人公二人の関係性を揺さぶり、そこに起伏があるためだ。

ただ、正直な評価を言わせてもらえば褒められすぎだと思う。

最大
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わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

3.7

これは拾いもの。よくできた少女漫画だなあと思ってみてたら「アキラ」だった。

目黒蓮のカッコ良さたるや男の私が見ても惚れ惚れするくらい。女性ならみな撃ち抜かれて動けなくなるだろう(^^)

話も「大
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

2.5

アクションシーンにはアイディアがあり、楽しめた。が、ストーリーに起伏がなく、ギャグも滑ってる。退屈で、早くアクションにならないかなと思って見てた。

ラストの「パルプフィクション」オマージュからもわか
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