この手の「作り物」感を前面に押し出してくる作品は私には合わない。話に没入できないからだ。没入しかけるとバックステージのパートになり、引き戻されてしまう。そもそも観客が物語に没入するのを監督自身、望んでないのだろう。
ただ虚構性の強い枠組みであってもそれでもなお感情が多少なりとも揺さぶられることはある。役者同士のセリフ合わせにすぎない、マーゴットロビーの場面なんかはその典型例。こういうとこはちょっと面白かった。
ただまあそれだけと言えばそれだけ。監督のエゴ「これはさ、おれの作ったあくまでも作り物なんだからね。それは君たち、わかってるよね」を押し付けられてる気すらした。